20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.64 春の嵐にまつわる「あるある」
No.64 春の嵐にまつわる「あるある」
 前線や湿った空気の影響で、昨夜から東京地方は春の嵐。土砂降りの雨で風も強く荒れた天気です。まぁ、春に限らず風雨が強い日は、管理会社のスタッフも気分は憂鬱。なぜかというと、取るに足りない苦情が相次ぐから。いわば、春の嵐にまつわる「あるある」ですね。

 例えば給湯器。嵐が来ると給湯器が点火しなくなったという苦情が結構な割合で入ります。でも、昨日まで普通に使えていたのなら、大抵は嵐で横や下から巻き上げられた風により水や湿気が吸排気口から機械の内部に入り、安全装置が作動しただけ。やれメーカーの修理を手配してくれだの、次の土日なら在宅しているだのと始まるけれど、天候の回復を待って給湯器が乾いたころにリモコンのスイッチを入れ直したり、給湯器本体のコンセントを抜き差しすれば復旧する可能性が大。イラついて焦っているお客様をなだめて待たせるのは疲れるものです。
 あとよくあるのが、微量の雨漏り。もちろん建物の老朽化による防水機能の低下が原因のものは問題外ですが、そうではなくて天井裏の通風孔から入った雨水が、窓枠とか点検口から垂れてくることが時にはあります。建物というのは潜水艦ではないので、天井裏や床下には通風孔があって、自然に熱気や湿気が抜けて換気ができる仕組みになっています。もちろん通風孔の開口部にはガラリという羽根板が付いていて、雨が上から直接吹き込まない構造にはなっています。でも、これも給湯器の吸排気口と同様、横や下から雨が吹き込めば、当然、水は入ります。この手の雨漏りで始末が悪いのが、風向きや強さで漏水が起きる場合と起こらない場合がある一方で、建物の立地条件に依存するため特定の建物に現象が集中すること。なので対応に時間がかかるし、お客様はイライラするしで、これもまた嫌なものです。
 そして春の嵐が去り天気が好転すると決まって出てくるのがエアコンの苦情。今回は3月末なのでまだ大丈夫かもしれませんが、あとひと月もすると必ず数件は出てきます。嵐が去って気温が上がってきたのでエアコンのリモコンを操作しても全然涼しくならない。温度も14度に設定しているのに…。これ、お客様に伝えるのに勇気がいります。「お客様、暖房のままで使っていませんか?」
 以上、春の嵐にまつわる「あるある」でした。