20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.62 作りたい女と食べたい女(ルームシェア)
No.62 作りたい女と食べたい女(ルームシェア)
 NHKの夜ドラで「作りたい女と食べたい女」という番組が放送されているのをご存知でしょうか。同じマンションに住む料理を作るのが大好きだが少食の女性と、豪快な食べっぷりの女性が、2人で料理を作って食べることで関係を深めていくストーリーです。これ、意外とおもしろくて、何気に毎晩見てしまっています。
 昨夜は、その第27回目で、いよいよ一緒に暮らそうと部屋を借りるために2人は不動産屋を訪れました。ところが、二人入居可の目ぼしい物件を見つけて興味を示しても不動産屋のお兄さんは遠回しに断るばかりで、やたらと「ルームシェア可」の物件ばかりを勧めてくる。そして不動産屋の兄さんから、二人入居可という条件が、家族や建前上結婚を前提としたカップルに限定されていることが多いと知らされ、女性同士のカップルの2人は意気消沈してしまうという展開です。何でも、不動産屋が大家さんに入居者の説明をする際、同性同士のカップルだとあまりいい顔をしてもらえないからというのが理由だそうで…。

No.61 事故物件(その2)
No.61 事故物件(その2)
 「ぼまいほう」って知っていますか?漢字で書くと「墓埋法」です。不動産屋の裏話をお読みいただいている賢明な読者の皆様は既にお察しかと思いますが、これは「墓地、埋葬等に関する法律」の略です。
 この法律の中で不動産屋が使うのが墓埋法の第10条。この条文には墓地を廃止できることが書いてありますね。最近では核家族化が進んで田舎にあるお墓を「墓じまい」して都市部の自宅の近くに改葬するケースも多いとか。いやいや、そっちのことではありません。自分のご先祖様のお墓を閉めるのではなくて、墓地全体やその一部の廃止です。

 前置きが長くなってしまいましたが、墓地の廃止が事故物件とどう関係があるのかって?はい、墓地と事故物件とはまったく関係はありません。ただ、それらが不動産取引の対象となった場合、心理的瑕疵に一定程度の影響を及ぼすということにおいては共通点がございます。

No.60 事故物件(その1)
No.60 事故物件(その1)
 不動産屋の裏話も今回で60回目を迎えようとしていますが、意外や意外「事故物件」という不動産屋の裏話としては取分けベタなテーマを今まで取り上げたことはありませんでした。もっとも、不動産屋のうらばなし No.3 守秘義務と事実告知の義務の矛盾(前編)No.4 守秘義務と事実告知の義務の矛盾(後編)No.5 守秘義務と事実告知の義務の矛盾(実務編)の中では、ひとつの例として取り上げてはいましたが…。いったい何に遠慮をしていたのでしょう…。

 賢明な読者の皆さんは既にご存じかと思いますが、2021年10月に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました。それによると、自殺や他殺が発生した物件や、自然死や事故死であっても特殊清掃が行われた物件が事故物件として取り扱われます。