20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.73 不動産屋は必要書類のどこを見ているのか(入居書類のチェックポイント)
No.73 不動産屋は必要書類のどこを見ているのか(入居書類のチェックポイント)
 今回は、No.72 賃貸物件の入居時必要書類のつづき。部屋を貸す時、不動産屋は入居書類のどこを見て(チェックして)いるかです。前回は書類の説明ばかりで裏話っぽくなかったので、その反省に基づいて書こうと思います。

 先ずは「住民票の写し」から。ここで不動産屋が見る項目は「住民となった日」です。この日がわずか数週間前だったりすると、営業担当者から突っ込まれる可能性が大。この人、ずっと住民票を移してなかったけど、今回は住民票の写しの提出を求められたので、慌てて役所で手続きをしたのかな?見た目とは違って、いい加減な生活をしているのかな?なんて考えます。まぁ、本人に向かって適当なご性格ですか?なんて聞けないので、前の家には少ししか住んでいなかったんですね?と軽く鎌をかけたりしますが…。ただ、不動産屋が本当に警戒しているのは本物の短期解約の常習者。普通は短期間での転居を繰り返せば引越し費用がかさむから誰かに出させているのかも。建物や設備に因縁をつけて、大家や管理会社にそれを請求している可能性だって考えられます。
 そして顔写真の付いた公的証明書。例えば運転免許証の場合だと、当然、免許証の色。まぁ、ゴールド免許だと交通法規等の決め事はきっちり守れる人なんだと多少の安心感はありますが、それよりも絶対に見る所は免許番号の下一桁。多くの人は0になっています。これは免許証の再発行の累積回数を示していて、例えば3だったら免許証を3回紛失しているということ。この人、真面目そうに見えるけど実はルーズなんだと推測するのです。
 最後に、必要書類として必ず提出を求められるのが収入証明書。組織に属している人ならば通常は源泉徴収票を交付されているはず。で、支払金額のチェックはしますが、昨今では保証会社を付けるのが一般的なので、そんなに多い少ないは言いません。もちろん収入が家賃に満たないようなケースはダメですが。それよりも絶対にチェックするのが「中途就・退職」の欄。まぁ、中途で採用されている場合は、そのために1年間の収入が少ないんだな、なんて好意的に捉えますが、中途で退職しているのは質問の対象になります。つまり、現在は何をされているのですか?と聞かれます。賃貸の場合、一般的には契約時に安定的かつ継続的な収入が無いと(就業の事実が無いと)契約は難しくなります。