20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.65 オーナー審査
 「オーナー審査」ってご存じですか?読んで字の如く、賃貸物件の入居の可否について、その物件のオーナー様が審査をすることです。
 とは言え、オーナー様が入居希望者と直接面談する訳ではなく、ほとんどが書類上の審査です。元々、店頭接客の段階で入居条件に適うお客様だけがご紹介されますので、入居可能日が早い人がいいとか、部屋を汚さないから女性がいいとか、その程度の基準でご判断されることが多いです。まぁ、普通のオーナー様は、「センチュリーさんがお客さんと直接会っているのだから、石川さんに任せるよ」と言ってくれますが…。
 このオーナー審査ですが、意外と入居希望者には知られていないものです。入居審査は保証会社の審査だけだと思っている人が多いですね。でも募集を行っているのが仲介会社ではなく管理会社の場合、お客さんには敢えて言わないだけで、オーナー審査は常に行われています。書類をご覧いただき「このお客様ですが、契約してもいいですか?」って絶対に確認します。
No.62 作りたい女と食べたい女(ルームシェア)
No.62 作りたい女と食べたい女(ルームシェア)
 NHKの夜ドラで「作りたい女と食べたい女」という番組が放送されているのをご存知でしょうか。同じマンションに住む料理を作るのが大好きだが少食の女性と、豪快な食べっぷりの女性が、2人で料理を作って食べることで関係を深めていくストーリーです。これ、意外とおもしろくて、何気に毎晩見てしまっています。
 昨夜は、その第27回目で、いよいよ一緒に暮らそうと部屋を借りるために2人は不動産屋を訪れました。ところが、二人入居可の目ぼしい物件を見つけて興味を示しても不動産屋のお兄さんは遠回しに断るばかりで、やたらと「ルームシェア可」の物件ばかりを勧めてくる。そして不動産屋の兄さんから、二人入居可という条件が、家族や建前上結婚を前提としたカップルに限定されていることが多いと知らされ、女性同士のカップルの2人は意気消沈してしまうという展開です。何でも、不動産屋が大家さんに入居者の説明をする際、同性同士のカップルだとあまりいい顔をしてもらえないからというのが理由だそうで…。

No.61 事故物件(その2)
No.61 事故物件(その2)
 「ぼまいほう」って知っていますか?漢字で書くと「墓埋法」です。不動産屋の裏話をお読みいただいている賢明な読者の皆様は既にお察しかと思いますが、これは「墓地、埋葬等に関する法律」の略です。
 この法律の中で不動産屋が使うのが墓埋法の第10条。この条文には墓地を廃止できることが書いてありますね。最近では核家族化が進んで田舎にあるお墓を「墓じまい」して都市部の自宅の近くに改葬するケースも多いとか。いやいや、そっちのことではありません。自分のご先祖様のお墓を閉めるのではなくて、墓地全体やその一部の廃止です。

 前置きが長くなってしまいましたが、墓地の廃止が事故物件とどう関係があるのかって?はい、墓地と事故物件とはまったく関係はありません。ただ、それらが不動産取引の対象となった場合、心理的瑕疵に一定程度の影響を及ぼすということにおいては共通点がございます。