No.12 不動産屋の七つ道具編(その1-A)
不動産屋の七つ道具としてまずあげられるのは、道具と言ってはちょっと失礼かもしれませんがそれは「宅建主任者」ではないでしょうか。どうして「宅建主任者」が必要かというと、取引対象となる不動産についての重要事項の説明と重要事項説明書・契約書への記名・押印は、「宅建主任者」でなければできない事務とされているからです。これらの事務ができなければ宅建業者(不動産屋)としての業務もできなくなってしまいますから、不動産屋にとっては無くてはならないものなのです。したがって業者をしていく上では宅建部門に従事している人の5人に1人の割合で、「専任の宅建主任者」を置かなければならない事と決められているのです。
でも、その「宅建主任者」ですが、実は「専任の宅建主任者」以外は、パートタイマーでもアルバイトでもできるんです。必要なときだけ会社に来て、説明してハンコを押したら帰っちゃってもいいんです。だから不動産屋のうらばなし
No.8 業界隠語暗号編(その2)のように、物件案内の時から担当していた口の上手な営業マンが急にどこかへ引っ込んで、代わりにさっきまで受付に座ってたおばちゃんが説明を始めてビックリさせられるなんてことも、十分に有り得る事なのです。また、あまり大きな声では言えないのですが、もっとひどいケースになると、「専任の宅建主任者」さえもいない…。つまり登録上はいることになっているが、店舗にはいない…。もっと具体的に言うと、役所に対しては「専任の宅建主任者」がいるものとして業者の登録をしていても、実際はむかし「宅建主任者」の資格をとって今は隠居しているおじいさんが、盆栽の趣味の合間に3時になると自転車に乗ってお茶を飲みにやって来るだけ、みたいな所も中にはあるのです。
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