20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.33 駐車場編(賃料の決め方)
 いわゆる普通の月極駐車場。当社の周辺地域では、屋根なしで月額13,000円から16,000円くらいが相場。恐らく東京23区内で最も安いと思われます。他の地域じゃ車のローン代よりも1ヵ月の駐車料金の方が高いところもありますから、やっぱり下町小岩は東京の田舎、のどかなものです。

 ところで、この駐車場の値段、つまり1ヵ月の賃料ってどうやって決めるか知ってます?利回りを計算してはじき出すんだろって?はい、確かに当社のブレーン(No.20 不動産屋のブレーン参照)には有名な会計学の教授もいらっしゃいますので、やってやれないこともございません。でもね、そんな面倒な事はしないんです。じゃあ、何するのかって?はい、実は何もしないんです。つまり、需給関係と大家さんの言い値だけで決まるんです。
 小岩あたりじゃ駐車場借りるのに礼金なんてかかりませんし、敷金の預かりもほとんどありません。不動産屋が契約の更新料なんて取ろうものなら、庶民の敵として血祭りに上げられる土地柄ですので、お客さんは本当に1ヵ月の賃料しかかからないんです。そのため新しい駐車場ができて1,000円でも安いと、契約者のみなさんはゲルマン民族のごとく、ドッドッドッと大移動をするわけです。アパートなんかと違って車を移動させるだけですからね…。

 だから大家さんも必死、どこの駐車場はいくらだとか、とてもよくご存知です。自分の所有する駐車場が、まぁ、一夜はオーバーにしても1ヶ月くらいで空になってしまうのですから…。そのため、大家さんの口から「来月からここの車庫は1,000円値下げしてあげて!」とか、アパートなんかじゃ考えられないようなセリフも飛び出すんですよ。
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2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ