20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.36 部屋の広さ(その2)
 前回(No.35 部屋の広さ)は、部屋の広さの表示の仕方をお話ししましたが、今回は床面積の計算方法です。最近は少数第二位まで○○. ○○㎡というように書くのが流行っていますよね?まぁ、○畳という曖昧な表現よりはマシかなと思いますが…。

 だけどね、不動産屋のうらばなしを毎回読んでくださっている賢明な方は、もうお分かりかと思いますが、不動産屋がそんな面倒な計算、する訳ないじゃありませんか!不動産屋は土地家屋調査士(建物の表示登記をする人)じゃないんですよ!
 建物の床面積は、土地家屋調査士の場合は不動産登記法に則り、普通の建物では壁の中心線を結んで求積し、マンションのような区分所有建物では壁の内のりを結んで求積します。また、室内高が1.5mないところは床面積に算入しないとか、同じ出窓でも床と同一の高さの場合は算入で、床より高い場合は算入とか、すっごく細かい決まりがいっぱいあるんですよ…。

 ましてや広告や情報誌に表示されるのは、建物全体の床面積ではなくて、アパートやマンションのそれぞれの部屋の広さです。建物全体にしたって、屋外廊下や屋外階段のような、3方向に壁のないところは面積に算入しないんですよ(西武ドームの問題は、絶対にヤバイです)。建物全体の求積の仕方にさえ、さまざまな問題があるのに、内廊下などの共用部分を除外した、それぞれの部屋の広さなんて、そう簡単にわかる訳ないんです。そんなのに興味があるのは、貸す方の不動産屋と借りる方のお客さんだけ。固定資産税だってアパートの部屋ごとに課税するわけじゃないし、登記簿にも載ってこない。市区町村の資産税課も法務局も、そんな面積など教えてくれません。だれも助けてくれないんです。じゃあ、どうするのかって?それは次回のお楽しみです!
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2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ