20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.40 退室後の事後処理(その2)
 部屋を引き払った後に公共料金の未納を残していくのも困りますが、不動産屋にとって最も厄介なのは、家具や家電製品などの大きな荷物を置いていかれてしまうことです。小さなものでしたら掃除屋さんやクロス屋さんが、自分達の出すゴミといっしょに処分してくれますが、大きなものはちょっと無理です。じゃあ、どうするのでしょうか?どおせ、粗大ゴミの回収や廃棄物の処理業者を使うんだろ、って?まぁ、確かに最終的にはそれで正解なのですが、そんな簡単にはいかないんですよ。だって、部屋に残していったからって、不動産屋が他人のものを勝手に処分していい訳ないじゃないですか!
 よく考えてみてください。そもそも荷物を残したまま、部屋を解約するのなんて普通の状況じゃないですよ。例えば夜逃げだとか、警察や入管に捕まっちゃったりだとか…。要は人間だけがいなくなって家賃が入らなくなり、貸主から契約を解除された場合がほとんどなんです。ですので、後から本人がひょっこり出てきて荷物を返せとも言い兼ねません。法律的には賃料の未納と荷物の所有権は、まったく別の問題ですからね…。でも部屋をいつまでも空けておく訳にはいかないし…。
 仕方がないんで、不動産屋は空いている倉庫や店舗に荷物を移動して、本人や保証人を探し出して荷物を処分するように促すんです。そして処分することにOKがでたら、やっとそれらを捨てることができるんですよ…。これだけでも結構、手間がかかるんです。だって引越し1回分と同じですからね。

2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ