20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.43 アパート入居時の火災保険
 アパートに入居する時って、ほとんど強制的に火災(損害)保険に加入させられるじゃないですか?何でそんなのに入らされるのか知ってます?不動産屋が儲けるため?はい、確かに不動産屋は損保の代理店をやっているところが多いですから、保険に入ってもらえば多少の代理店手数料は貰えます。でも、2年間で1万5,000円とか20,000円の保険の手数料じゃねぇ…。

 じゃあ、何でだって?そんなの決まっているじゃないですか!火事を出したら保険のお金で延焼した近所の人に許してもらうためです!保険に入って安心。安心。ブーッ!!!大間違いです。失火の責任に関する法律というのがあって、ちょっとした不注意(軽過失)で火事を出した側にも賠償義務は発生しないし、また、もらい火で損害を受けた場合も賠償請求はできません。だから保険屋さんは被害を受けたご近所に対し、原則的にはお金を支払ってなんかくれません!あくまでも、損害を受けた自分の財産に対してお金がおりるのです。
 そうか!じゃあ自分の財産が無い貧乏な人は、保険なんて入らなくていいし、近所の人にはすっとぼけちゃえば、それで済んじゃうんだ!なんて思う人もいるのでは…。ところが、この失火の責任に関する法律、大家さん等の契約関係にある人には、効かないのですねぇ。だから、アパート入居時の火災保険には借家人賠償責任特約というのをつけて、万一火災や破裂・爆発事故を起こし借用戸室に損害を与え、大家さんに対する法律上の損害賠償責任を負った場合に備えているんですねぇ…。
 でもね、実際に当社のお客さんでアパート入居時の保険のお世話になっているのは、圧倒的に多いのが階下への水漏れ事故を起こしてしまった人だとか、他人の物を誤って壊してしまった人が、セットで付いてくる個人賠償責任保険を使うケースです。まっ、こんなものですよ!

2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ