20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.44 こだわり検索(総論)
 最近、といってもずいぶん前から見られますが、アパートやマンションの物件検索で、「こだわり検索」っていうのがあるじゃないですか?インターネットや雑誌を問わず、例えばペットの飼育が可能な物件には、かわいいペットのマークが付いていたりとか…。まぁ、入居希望者の志向を尊重するという意味では決して悪いものではないと思います。実際に弊社の物件も、某物件検索エンジンには「ペット可」とか「バス、トイレ別」のマークを付けて、しっかり掲載されていますから…。 だけど、不動産屋の立場から見ると、これってかなり問題があると思います。
 ひとつは、入居希望者が想像する物件と実際の物件とのギャップの問題。例えば、こだわり検索で「バス、トイレ別」のマークが付いている場合、それを見た人はユニットバスの洗い場とは別の部屋に便器がある様子を想像されるかと思いますが、実際はユニットバスすらも製造されていない頃に建てられた古い物件で、トイレは別になっているものの、側面が塗り壁で何だか怖い模様のようなものが浮かび上がっていたりとか…。

 もうひとつは、マークの意味自体の問題。例えば「女性限定」なんてマークが付いているものの、入居者は生身の人間ですから、長く住んでいれば彼氏が入り浸ったり子供ができちゃう場合もあるでしょう。だからって、契約解除になんかできる訳ありません。だから「女性限定」マークを見て、勝手に学校の女子寮みたいな所を想像されちゃ困るんです。女子ばっかりのアパートなんて、実際は滅多にあるものじゃございません。あるいは、こんなに不景気なご時世ですから空室が続いてしまい、大家さんがやむを得ず男性を入居させたことだってあるでしょう。勝手に女性ばかりだから安心!なんて思ったらそれは大間違い。もしかして今回の募集から女性限定になったのかもしれません。まっ、「女性限定」マークも「今度の入居者はできれば女性がいい」程度だと思っていた方がよいのではないでしょうか?
 次回は、こだわり検索(各論)ということで、その問題の具体例をお話しします。
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2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ