20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.49 春の引越しシーズン(総括)
 春の引越しシーズンももう終盤戦。なんだか消化試合みたいになっています。えっ?不動産屋は3月の今がいちばん忙しいんじゃないのかって?はい、株式会社石川土地建物は人が足りない(泣)のでいつでも忙しいのですが(頼むからパートのお姉ちゃんでも入れてくれ…)、不動産屋は3月になると一般的にはもうほとんど終わっちゃっているのですよ。なぜって?それは物件が少なくなってしまうからです。アパートやマンションの空室は、野菜や果物とはちがって毎朝市場で仕入れるわけにはいきませんからね。成約しちゃったら、もうそれでおしまいです。
 具体的にはアパートやマンションの賃貸借契約の場合、借主からの契約の解除は契約終了時の1ヶ月前までに申し出るのが一般的ですから、ギリギリまでねばって3月の末に部屋を明け渡す人でも2月の末までには部屋を出るとの意思表示をしなければなりません。なので物件が大量に供給されてくるのはせいぜい2月いっぱいまで。3月に入って部屋を探しても2月中に借り手のつかなかった物件が残っているだけ(ただし高額物件は別)ですから、他人よりも良い部屋を安く探そうなんていうのは、そもそも無理なはなし。完全な戦略ミスです。
 じゃ、いつからみんなは部屋探しをしているのかって?これは当社の話で他社に当てはまるかどうかわかりませんが、まず1月の仕事初めと同時にHPのアクセス数が急増するんです。たぶん入居希望の方がお正月に家族と話をして休み明けからチェックしはじめるんですかねぇ?それで1月の終わりくらいから比較的お金に余裕のある単身者のお客さんが増えだして、2月に入るとお金にシビアなファミリータイプをお求めになるお客さんが増えてくるんです。ということは、みなさん1ヶ月分の家賃を部屋に住まずに支払っているか、新しく借りたアパートに既に3月の初めには住んでいるのですねぇ…。そうでもしないと4月1日には新しい部屋で生活できないんです。卒業式の終わった校舎へすぐに一年生が入学してくるように、タイミング良くはいかないみたいです。

※このページでは、当サイト開設当時(平成12年頃)の名物コラム「不動産屋のうらばなし」に掲載された過去ログを便宜的に表示していますので、時代の変化、および法令改正や省庁のガイドラインの変更などにより、現在の情勢とは異なる記述がございます。また、利用者の特定の目的に適合すること、有用性、正確性を保証するものではなく、掲載内容についてのトラブル等、いかなる責任も負いません。あらかじめご了承ください。

2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ