20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.7 業界隠語暗号編(その1)
 さて、前回から始まった不動産屋のうらばなし業界隠語暗号編ですが、その第1回目は「重説」についてです。業界の人や宅建の試験を受けたことのある方ならすぐお判りになる(判らなかったら相当ヤバイ)と思いますが、宅建業法第35条に規定されている「重要事項説明」のことです。詳細は宅建の教科書でも見ていただければよろしいかと思いますが、要は契約を行う前に取引に関わる重要事項を書面にしたうえで、更に口頭で説明を加えることです。

 じゃあ、何でこんなことをわざわざ不動産屋のうらばなしで取り上げたのでしょう?「重要事項説明」を縮めると「重説」になりますと言ったところで、みなさんにとってはおもしろくも何ともありません。そんなことは私も承知しております。業界隠語暗号編をやれと言い出した中野区のサラリーマン「ゴン氏」(どうやら大型二種牽引免許、社会保険労務士、宅建主任者の資格などを持つ変な大学職員らしい)のように、重量説明電脳画面:中国語で重たいホームページのこと、などとつまらないことを言って笑いを取ろうなんて考えておりません。不動産屋のうらばなしは、有益な情報をみなさまに提供して喜んでいただくことを目的としていますから、取り上げるネタにはそれなりの意味があるのです。
 では何が問題なのかと言いますと、不動産屋が「これで、重要事項の説明が終わりました。説明を受けたという書類に、署名捺印をお願いします。」と言った時がポイントとなるのです。重要事項の説明を受け、書面を受領しましたという署名捺印は、慣習にはなっていますが法律には何ら記載のないことなのです。まぁ、事実の説明に対して署名捺印をするだけでしたらインクと朱肉の無駄使い程度で済むでしょう。でも、不動産屋で賃貸アパートの「重説」を受けたことのある人は、その時のことをよく思い出してみてください。書いてあったことはそれだけじゃなかったでしょう?賃料の1ヶ月分の仲介手数料を支払うことを承諾しますなんて書いてありませんでしたか…?。ましてや1ヶ月分の「1」の字がしっかり印刷でもされていようものなら、それは不動産屋が業務停止処分を受けるような…。次回へつづく。
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2000/08/25 | 固定リンク | 過去ログ