No.9 業界隠語暗号編(その3)
不動産屋のうらばなし
No.6 業界隠語暗号編(序論)での予告どおり、今回は「両手or片手」についてです。これについては、意外とみなさんお解りになったのではないでしょうか?。いつも不動産屋のうらばなしに貴重な意見を下さる中野区のサラリーマン「ゴン氏」(宅建主任者の資格などを持つ変な大学職員らしいが、当然、不動産屋の仕事など知るはずも無く、5万円払って取引主任者の実務講習を受けたのみ)のように、彼の行き付けの巣鴨のキャバクラで「女の子が左右に2人座ると両手、片側に1人しか座らないと片手」みたいなバカなことを言っていても、それがけっこう正解に近かったりなんかするものです。
そうなんです!不動産屋のうらばなしを見て下さっている賢いみなさんはもうお気づきかと思いますが、人間は美しいものとか美味しいものを自分の2本の手で独占したいものなのです。当然、不動産屋も人間です。じゃあ、不動産屋が2本の手で独占したがる美しいものとか美味しいものって何なのでしょう?不動産屋もキャバ嬢かって?まぁ、確かに他の業種の人と比べて不動産屋にその傾向が強いのは、必ずしも私だけの偏見ではないでしょう。でも、もっと大好きなものがあるんです。それは「お・か・ね」です。「両手or片手」というのは不動産屋がもらえるお金、つまり報酬額のことなのです。
宅地建物取引業者(不動産屋)が、宅地または建物の売買または交換の媒介(仲介)をした時、お客さんからもらうことのできる報酬額は、依頼者(お客さん)の一方につき、売買金額や交換に係る金額に、ある割合を掛けた額(金額によって変わるが400万円超の場合は3%+6万円)の限度内に定められていて、そのことを一方からもらえる分という意味で「片手分」というのです。したがって、めったに無いことですが、不動産屋が媒介(仲介)の話をまとめた時に、依頼されていないもう一方の当事者の方に別の不動産屋がいなければ、その方からもさらに「片手分」をもらうことができ、片手と片手で「両手分」になるということです。そんな日は、まさにウハウハ状態で、冒頭の中野区のサラリーマン「ゴン氏」のような行為に走ってしまうのでしょう。彼の答えはそういう意味で正解に近いということです。
※このページでは、当サイト開設当時(平成12年頃)の名物コラム「不動産屋のうらばなし」に掲載された過去ログを便宜的に表示していますので、時代の変化、および法令改正や省庁のガイドラインの変更などにより、現在の情勢とは異なる記述がございます。また、利用者の特定の目的に適合すること、有用性、正確性を保証するものではなく、掲載内容についてのトラブル等、いかなる責任も負いません。あらかじめご了承ください。