No.81 電気窃盗

不動産屋の裏話もこれではや81回目。80回の区切りが付いたので、新たな気持ちで良い話や楽しい話を書きたかったのですが、何だかそれも無理そう。やはり江戸川区って民度が低いのでしょうか…。
今回のお題は「電気窃盗」。いやー、嫌な話題ですね。たとえ被害額が少額であっても、刑法235条の窃盗罪として処罰される可能性がある立派な犯罪です。バンコクとかホーチミンシティの、あの大量のもつれた電線をみると、おいそれとはバレないのではと思ってしまいますが、ここ東京ではそうはいきません。
賃貸物件の場合、昔からいるのが廊下や階段等の共用部分のコンセントから電気をパクる輩。アパートやマンションの共用部分の壁には、清掃等の維持管理や非常時の使用を目的に結構な割合で電源コンセントが設置されているので、そこに携帯電話の充電器を接続して盗むのが定番です。
No.80 退去時の紛失物と残置物

ホテルでは、チェックアウトの手続き中に、客室の備品や設備に損傷がないか、忘れ物がないかを確認する退室点検が行われます。また、病院でも退院の際には、看護師さんが患者と一緒に病室を見回してチェックをするものです。アパートやマンションの賃貸の場合でも、解約時には借主と管理会社のスタッフが、「退去立ち合い」と称して部屋の明け渡しの確認が行われます(というか、賃貸の退去立ち合いの方が本家本元の気もしますが)。いづれにしても、具体的な手順は違えど多くの業界で占有されていた部屋の明け渡しの際には、室内の破損や汚損はもちろんのこと、備品の紛失や利用者の忘れ物のチェックが広く行われているものです。
そこで今回のお題は、退去時の紛失物と残置物。不動産、特に賃貸管理業界の退去立ち合い時の、紛失物と残置物のあれこれです。
先ずは、紛失物。紛失物と言っても、ホテルの備品のタオルやハンガーを欲しくて盗んで行くのとは異なり、賃貸の場合は無意識の内に転居先へ持って行ってしまうのが特徴です。なぜか水回りの備品が多いですね。
No.79 結婚部屋

不動産屋の裏話の賢明な読者であっても、結婚部屋と言われても一体何のことだかわからないと思います。Googleで検索してもヒットしませんし、ChatGPTに聞いても見当外れの答えが返ってきます。なぜなら入居した方が結婚を機に引っ越されて行く部屋に対し、センチュリー21石川土地建物の社内で勝手に付けたネーミングだからです。その昔、「寿退社」という言葉がありましたが、それの賃貸版でしょうか。
実際のところ、新築後7年半の間に3名の女性が入居され、全員がめでたくご結婚された部屋があるのです。他の多くの部屋には新築時より同じ方が住み続けているのに、なぜかこの部屋の住人だけは入居すると100パーセントの確率で結婚して引っ越されて行きます。