20年以上前に当サイトで掲載されていたコラム「不動産屋の裏話」がブログとしてここに復活。
不動産屋の古き良き時代から現在までをご堪能あれ。
No.79 結婚部屋
No.79 結婚部屋
 不動産屋の裏話の賢明な読者であっても、結婚部屋と言われても一体何のことだかわからないと思います。Googleで検索してもヒットしませんし、ChatGPTに聞いても見当外れの答えが返ってきます。なぜなら入居した方が結婚を機に引っ越されて行く部屋に対し、センチュリー21石川土地建物の社内で勝手に付けたネーミングだからです。その昔、「寿退社」という言葉がありましたが、それの賃貸版でしょうか。

 実際のところ、新築後7年半の間に3名の女性が入居され、全員がめでたくご結婚された部屋があるのです。他の多くの部屋には新築時より同じ方が住み続けているのに、なぜかこの部屋の住人だけは入居すると100パーセントの確率で結婚して引っ越されて行きます。

No.78 他人のための賃貸契約(賃貸物件の代理契約)
No.78 他人のための賃貸契約(賃貸物件の代理契約)
 今日、弊社の事務スタッフより、先ほど賃貸物件を探しにお客様がいらっしゃいましたが、お断りしましたと報告がありました。なんでも90歳近い親を一人で住まわせるので、自分(来店されたお客様)が契約者になるので部屋を紹介して欲しいという内容でした。

 弊社ではお断りをいたしましたが、このような契約を「他人のための賃貸契約」といって、貸主が承諾すれば、契約自由の原則に基づきそれ自体は有効です。大学に入学予定の未成年の子のために親が契約者となってアパートを借りるのが、かつてからある典型例の一つと言えましょう。でも、契約者は親ですから、子が成人しようと入居後の更新や解約の手続きも契約者である親が主体となり続けるので、手離れがとても悪いです。更新のたびに契約書を親元へ郵送したり、あるいは委任状の作成を依頼されたりで、管理会社としてもあまりやりたくないのが本音ではないでしょうか。

No.77 ゴミ屋敷
No.77 ゴミ屋敷
 今日、賃貸の更新手続きに来ていた入居者様ですが、うちの女性スタッフに誓約書を書かされていました。なんでも管理しているアパートの室内がゴミ屋敷の状態だったので、更新期日までに室内をきれいにする約束をしていたのですが、案の定、期日の直前になって、どうしても片付けられないと泣きを入れてきたそうです。

 まぁ、よくある話なのですが、不動産屋はこんな時にどうするのかって?一応、普通賃貸借契約なので更新拒絶は難しいし、通常は賃貸の更新時に損害保険も満了するため、それこそゴミに火でもついたら大変なので、契約更新と保険加入については進めざるを得ない状況となります。

 けれども、何年間も部屋を片付けられなかった訳ですから、こんな風に直前の申し入れをし、どさくさ紛れで契約更新に突入するのはプロの不動産屋から見れば織り込み済み。法定の消防設備点検で業者が室内に立ち入る時も、排水管の高圧洗浄で作業員が浴室や台所を施工する時も、ずっとドタキャンで切り抜けてきましたよね。不動産屋は一連の経過を記録しています。不動産屋を見くびってはいけません。