No.51 不動産屋のホームページ
最近じゃあ、たとえ小さな街場の不動産屋でも自社のホームページ程度は持っているもの。会社の業績にも貢献することがそれなりに認知されてきたので、数年前の見栄ホームページのレベルからは脱却しつつあるようです。
ところで、どの不動産屋のホームページにも物件案内(概要)がありますよね?あれって、部屋を探しているお客さんにとっても対象地域の物件の相場がわかるんで、それなりに便利ですね。
でも、経験した方も多いかと思いますがプリントアウトした物件概要を持って、いざ不動産屋の店頭に出向いても、既にその物件が無かったり電話で誰かに問い合わせていたりとか…。すごくムカつきますね。なんで即時性が売りのネットなのにこんなことが起こるのでしょう?
実は、それは不動産屋が悪いのです。正確にいうとその不動産屋に物件が無いという事実を隠しているのです。手前味噌になってしまいますが、センチュリー21石川土地建物のように自社の専任媒介物件が豊富な業者は良いのですが、手持ちの物件数が少ない業者は他の業者の物件(業界用語で「先物」といいます)を載っけなければ、HPが成り立たないのです。要は自社の物件数が少ないので、レインズだとかチラシを見て、勝手に他の業者の物件をパクって自分のHPに掲載してしまっているのです。
不動産業者の中には他社物件の仲介を専門に行っている会社もありますから、他社の物件を自分のHPに載せることは一概に悪いとはいえません。ただ、それは物件を持っている会社の承諾を得てから掲載するのが業界の(いや世間一般の)常識です。それをやらないで無断掲載をするから、お客様へご迷惑をかけ、不動産業者のHPは信用できないなんて思われてしまうのです。
じゃ、どうやってそういういい加減な業者のHPを見分ければいいのかって?これを言ってしまうと無用な摩擦を引き起こしてしまうかも知れませんが、当社も被害者だからしゃべってしまいましょう。いちばん決定的なポイントは、物件情報にその建物の写真が載っているかどうかです。図面とデータだけでしたら似たような物件は無数にあるので勝手に載せられた業者も今ひとつ文句を言えませんが、写真が出ればひと目でわかってしまいます。だから、無断掲載の物件には建物写真が載っていないものなのです。はい、もうこれで物件データばかりを羅列していかにも物件豊富に見せかけたHPには騙されませんね。ちなみに、各社のオリジナルのHPでは未だこのような不正が横行していますが、フォレントやアドパーク、Yahoo!不動産のような大手物件情報サイトでは、悪質業者を排除するために他社物件の無断掲載等の不正が発覚すると掲載禁止などの重い処分を科しています。
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