No.7 業界隠語暗号編(その1)
さて、前回から始まった不動産屋のうらばなし業界隠語暗号編ですが、その第1回目は「重説」についてです。業界の人や宅建の試験を受けたことのある方ならすぐお判りになる(判らなかったら相当ヤバイ)と思いますが、宅建業法第35条に規定されている「重要事項説明」のことです。詳細は宅建の教科書でも見ていただければよろしいかと思いますが、要は契約を行う前に取引に関わる重要事項を書面にしたうえで、更に口頭で説明を加えることです。じゃあ、何でこんなことをわざわざ不動産屋のうらばなしで取り上げたのでしょう?「重要事項説明」を縮めると「重説」になりますと言ったところで、みなさんにとってはおもしろくも何ともありません。そんなことは私も承知しております。業界隠語暗号編をやれと言い出した中野区のサラリーマン「ゴン氏」(どうやら大型二種牽引免許、社会保険労務士、宅建主任者の資格などを持つ変な大学職員らしい)のように、重量説明電脳画面:中国語で重たいホームページのこと、などとつまらないことを言って笑いを取ろうなんて考えておりません。不動産屋のうらばなしは、有益な情報をみなさまに提供して喜んでいただくことを目的としていますから、取り上げるネタにはそれなりの意味があるのです。
No.6 業界隠語暗号編(序論)
不動産屋のうらばなしも第6回目をむかえ、早くもネタが切れかけてきました。うらばなしといっても、あんまりやばいことは書けないし、一般的なことじゃ読者の方はつまんないし…。何か継続的でおもしろいことないかなぁ?なんて思っていたら、以前にもここに登場していただいた中野区のサラリーマン「ゴン氏」から、不動産屋の隠語暗号をネタにしろとの有り難いメールをいただきました。そうです。どんな業界でもその業界の人にしか通じない「ことば」があります。たとえば八百屋さんの店先で店員どうしが品物の仕入れ値を話した場合、お客さんに金額が判ってしまうのは困りますから、「暗号」のようなものを使います。デパートの館内放送でもお客さんには単なるご案内に聞こえても、実は保安係りの呼び出しだったりしているのかもしれません。また秘匿性はなく単に言葉を短くしただけのものもあります。現場到着を現着、大学院生を院生といったりするのがこの例です。さて、不動産業界では…。
No.5 守秘義務と事実告知の義務の矛盾(実務編)
例えば前入居者が首を吊った部屋のように、取引上重要な事項に該当するようなできごとがあった場合、我々不動産屋は宅建業法47条にもとづいて、お客さんにその事実を告知しなければならないことはお話ししました。けれども一般のお客さんは、不動産屋がそんなこと正直に言う訳が無いと思っていることでしょう。それが証拠に、部屋を案内すると、「この部屋で自殺とかありませんでしたぁ?」という方がかなりいらっしゃるものです。まぁ、確かに不動産屋って、海千山千のとんでもない人達がいっぱいいますから、そんな風におっしゃるのもわからなくはないのですが…。
