No.16 不動産屋の七つ道具編(その3)
不動産屋の七つ道具編(その3)は、「看板」です。看板といっても、お店の上に掲げられている大きいやつではなくて、よく空室のあるアパートなんかに掛けられている、「入居者募集」とか「空室あり」みたいな小さいやつです。なんで看板がうらばなしのネタになるのかって?はい、実はこの看板、けっこう厄介なんです。どうせお客さんを集めるために掛けてるだけでしょって?確かにそうなんですけど、ただ掛ければいいという物でもありません。この看板、よく盗まれるんです。たぶん材質がFRPなので、日曜大工や工作のマニアの人達が素材にするんで持っていくのでしょう。以外と値も張るので盗られない所を選んで掛けなくてはいけません。また、建築中のアパートの足場などに掛けておくと、いつの間にか工事の人に建築資材といっしょに片付けられて無くなってしまいます。そんな訳で当社の場合、常に看板は品薄状態にあるのです。
No.15 同じ建物内で家賃に差がついた時
みなさん、同じ賃貸アパートだったらどの部屋の家賃もみな同じなんて思っていませんか?そりゃあ、1階の太陽が当たらない部屋と3階の角部屋じゃ、多少家賃はちがうでしょって?はい、そんなの当たり前です。そうじゃなくって、ここで言っているのは、同一の条件の部屋で家賃に差がついた時のことです。当社のホームページにも書いてあるように、現在の賃貸市況は物件の二極分化が著しく、人気のある物件は予約待ちですが、ダメな物件はいつまでたっても空室が埋まりません。ただ、物件の良し悪しも家賃次第というところもあり、古くても狭くても、適正な値段が付いていればそれなりに成約してしまうものなのです。ですので、本当のダメ物件というのは、家賃の決め方が悪い、もっとはっきり言ってしまえば身の程知らずの家賃設定をしている物件のことだと言えるでしょう。
No.14 不動産屋の七つ道具編(その2)
みなさんは、「利便性良好!駅まで徒歩××分!」なんていう不動産屋のチラシをよく見ることでしょう。でも、どうせ不動産屋は足が速いんでしょ。特に営業は。なんて思っていませんか?はい、確かに足は速いです。そう、今回はこの駅まで徒歩××分!に関する話題です。ちょっと変わった人って、どこにでもいるものです。㈱石川土地建物では、ときどき新聞に建売住宅の折り込み広告なんかを入れると、「この家の車庫にはベンツは入るかな?」「ちょっと大きいクラスのやつなんだけど?」なんていう問い合わせの電話がかかってきます。しかも7~8年前から現在までずっとです。声の主はどうやらかなりご高齢の方のようで、始めのうちは、「おー!ベンツかー!建売住宅なんて即現金決済だなぁ」、「2棟まとめ買いだ!」なんて思いながら、こちらも丁重に対応していたものですが、いつも話しの結末は「ところで、このチラシに書いてある時間では、駅まで歩いて行けないと思うんじゃが…。」「10分じゃ絶対に着かないと思う。だいたい12分くらいじゃないか?どうかね?」なんて言い出して、30分以上も電話を切ろうとしません。そして延々水掛け論が続き、最後はいつも当社の相談役が切れてしまいます。同業者からの情報によると、この人は家族からも相手にされないので、建売のチラシが入るとすぐ不動産屋に電話して、いかにも家を買いそうな素振りを見せて、不動産屋を冷やかしているようなのです。はっきり言って、売り出しの日の朝から、こんな電話に付き合ってなんかいられません。
